たんぽぽ(理事長挨拶) of たんぽぽの会


      機関紙「幡」Vol.22より                             社会福祉法人日野市民たんぽぽの会
                                                     理事長 町田博子

幡 この夏の酷暑は耐え難いものがあります。毎日、熱中症で亡くなられる方の多さに耳を疑いたくなります。加えて西日本豪雨災害の被災された方々が、この暑さでどんなに苦労されておられるか本当に心配になります。私達はよく100年に1度とか、想定外という言葉を聞きますが、これからは、この状態が常に起こりうるのだと、認識を変えなければならないのではないでしょうか。
 このような災害で命を奪われる方々も多く、少子化の傾向が進み、日本の人口はこれからも減少していき、さらに高齢化が加速すれば、どう考えても働き手は減って、国の経済が衰退していくのではないかと懸念されます。
 政府は子育て支援を充実して女性の働き手を増やそうとしていますが、それだけで充足できるとは考えられません。今や、福祉部門に限らずどこも人手不足に悩まされています。日本の総人口における、15歳以上65歳未満の生産人口は、年々減少しています。そうであれば、65歳以上の人も、障害を持った人もその人に合った働き方で生産人口に加われば良いのではないかと考えます。
 厚生労働省は障害者雇用促進法を定めて、一般企業に対し、雇用率アップを働きかけています。平成30年には2.2%に上昇し、数年前に比べれば、確実に障害者が雇用されるようになったと思います。しかし雇用率の問題だけで終わらせるのではなく、きちんと定着できているのか、過重な労働になっていないか、ほんとうにその人に合った仕事なのか等、まだ課題はたくさん残されています。
 ちなみに岡山県総社市の試みを紹介してみたいと思います。総社市の市長で片岡聡一さんは “障がい者が自立すれば、みんなが元気になれる”をモットーに障がい者雇用に力を注いでいます。総社市の総人口は67,059人で、障がい者は3,152人、その内18歳から60歳が1,200人とのことです。市長さんは「市民がここで生まれ、働いて、老いていく、その各々の場を用意する」として市内の企業等に障がい者の働く場を提供することを奨励し、自らも斡旋して回りました。その結果、会社では障がい者が入社してから、会社の団結力が上がった、社員が優しくなった、中の雰囲気が良くなった、などの効果があり、さらに会社として、障がい者を戦力と考えるまでに変化したということです。今では、生活保護を受けていた世帯のうち39世帯が生活保護を返上して自立しているとのこと、働けて職場で認められ、納税者になれる、ここまで来れば、真の自立と言えるのではないでしょうか。
 私達“日野市民たんぽぽの会”においても、ご利用者の方々の自立に向けて、それぞれの方にあった方法を考え、模索しながらご利用者と一緒に努力を続けております。
 お陰様で年間に数名の方が就労に結びついて、一般企業で働いています。当然、ご本人も職員もここに至るまでの努力は並大抵ではないのですが、就労したいという強い目標を持って、頑張った達成感は本当にうれしいものだと思います。
 社会の一員として一人前に認められ、生産者となれる、この喜びを共有できるように、微力ながら“日野市民たんぽぽの会”は頑張っております。
 今後も障がい当事者のご希望に寄り添い、「就労支援」のあり方を模索し、他の関係機関の皆様とも連携をさせていただきながら、地域に、市民の方に貢献できるよう、努めてまいります。